【北朝鮮砲撃】識者の見方「内輪もめ」「日本でテロも」 朝鮮学校無償化に批判も
2010.11.24 09:56
北朝鮮による韓国砲撃について、北朝鮮問題に詳しい識者らは「意図的な挑発行為」「北朝鮮内の内輪もめ」と論評。渦中の朝鮮学校への高校授業料無償化適用問題へも「批判が強まる」との見方が出ている。
関西大の李英和(リ・ヨンファ)教授(55)は砲撃について、「北朝鮮軍部の内輪もめ。韓国と本格的な戦争をする気はない」と断じた。
それでも今後、軍内部の対立が収まらなければ、さらなる挑発行動が予想されるとして、「韓国は過剰に反応すると跳ね返りが考えられる。これまで以上に冷静に対応しなければならない」と求めた。
同様に、拓殖大の荒木和博教授(54)も「砲撃は北朝鮮内部での権力闘争のトラブルの一つ」とみる。「韓国への攻撃で米国が動かなければ、米国の重要な同盟国である日本で脅しのためのテロを起こす可能性も考えられる」と矛先が日本に向かう危険性も示唆。「北朝鮮の体制が揺らいだときには拉致被害者の保護も考えなければならない」と話す。
砲撃が起きた地域は韓国と北朝鮮の領海が複雑に入り組んでいる。ジャーナリストの萩原遼さん(73)は「北朝鮮が挑発行為に出るには格好の場所」と指摘。「背景には経済危機など北朝鮮の不安定な情勢がある。危機の際に国内の引き締めを図るための軍事行動は北朝鮮の常套(じょうとう)手段だ。砲撃対象が島で、本土でないことが傍証といえる」と分析する。
東京基督教大の西岡力教授(54)は「日米韓が経済制裁で足並みをそろえたことが北朝鮮にとってダメージになった」と説明。「砲撃は突破口を見いだしたい北朝鮮による『制裁を続ければ核武装を続けるし、南北関係が危機に陥るぞ』というアピールと読める」と話した。
朝鮮学校無償化問題など日本への影響はどうか。李教授は「特に影響はないだろうが、北朝鮮が不安定な情勢だということは念頭に置く必要がある」。萩原さんは「北朝鮮側が無償化問題でも強気に出ていることと、今回の韓国への強気な砲撃は、権力の世襲を確実なものにするための手段として底流は同じと考えられる」と指摘する。
西岡教授は「テロや軍事攻撃を賛美するような教科書を使う学校への無償化に対し、日本の世論は批判を強めるだろう。日本政府は教科書の内容を是正するまで無償化は見送るべきではないか」と話した。
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