先日、
ねぎのリーダー氏と言う原付系ではカリスマ的な方がおられるのだが、その方のサイトの「
チャンバーの洗浄方法 (パイプユニッシュ使用)」と言うコラムに対して重箱の隅を突くようなメールを送ってしまった。
まあ、ちょっとした表記のミスだったのだが。
それはそれとして……
2stのチャンバーの洗浄方法と言うのが2輪系サイトにしばしば掲載されているのだが、1つ疑問点があって、
本当に理屈として理解しているのかな?と。
で、昨晩2chのJOGスレにチクッと書き込んだのだがそれをもう少し詳しく書いてみようかと思う。
これぞ
化け屋(化学系会社のことなw)の本領と言うものだ
作業については自己責任でお願いします
<チャンバーの洗浄について>
チャンバー内部の汚れは大きく分けて3種類。
・液化した未燃焼ガス
・スラッジ
・カーボン
まず初めに液化した未燃焼ガスが存在し、熱がかかることで油分が飛んでいきスラッジ → カーボンへと変質していく。
スラッジはその形状や色からおたふくソースと呼ばれることもあるwこの3種類の汚れは大まかに2種類の性質に分かれる。
・液化した未燃焼ガス (油溶性)
・スラッジ (油溶性)
・カーボン (水溶性)
これらの
汚れを落とすのに最適なのは高温で焼ききることなのだが、この作業は都会ではなかなか難しい。また焼きなましが起こる事で、チャンバーの寿命が短くなるし、100%再塗装が必要になってくる。
この洗浄方法の代替が洗浄剤による洗浄である(←くどいw
この洗浄方法の理想的な形は
1)溶剤系洗浄剤で未燃焼ガス、スラッジを洗浄2)アルカリ系洗浄剤でカーボンを洗浄である。
2種類で洗浄するのは、スラッジ等がカーボンの上に乗っていると、カーボンに洗浄剤が届かないからで、同じような理屈は界面活性剤配合の漂白剤を見れば判る。(茶渋の上に油汚れがあると漂白効果が下がる)
しかしながら、
大量の溶剤系洗浄剤(灯油等)は廃棄に困る。
このことからアルカリ系洗浄剤1手で洗浄する方法がネット上に流れているのである。
アルカリによる乳化でスラッジ等を落とそうと言う理屈である。
ここで一言。
アルカリ洗浄剤の取り扱いには気をつけることさてアルカリ系洗浄剤での洗浄方法であるが、やはり複数回洗浄が望ましい。
1)チャンバー容量の半分以下の洗浄剤を投入し、撹拌、排水を繰り返す。
2)チャンバー容量の80%~90%程度洗浄剤を投入し、浸漬する。
チャンバー内部の汚れ具合によって回数や浸漬時間を変える必要はある。
洗浄剤のチョイスであるが、液体パイプ洗浄剤は重宝されているのは、特価で1L/198円とかで販売されており、非常にコストパフォーマンスに優れているからである。
原付程度なら2本も買えば充分であるから、それでもいいだろう。
中型以上ならば2本(あるいはそれ以上)になることが多いし、またチャンバーの容量も大きい。この場合、業務用サイズの洗浄剤(花王ならパワーマジックリン、ジョンソンならレンジクリーナー、ニイタカならニューケミクール等)を使った方が結果安上がりになる可能性がある。このクラスなら4kgで3000円ぐらいでパイプ洗浄剤よりアルカリ成分のパーセンテージが高い。
(パイプユニッシュでNaOH1%ぽっちしか入っていない*)
次に洗浄剤をいかに効率よく使うかであるが、基本的には
温度を上げてやることである。但し
塩素系表示のあるものは十分換気しないと塩素ガスでやられる可能性があるので注意すること。
更にノーマルの内部構造が複雑なチャンバーについては、浸漬時のみであるが、酸素系漂白剤あるいは粉末型パイプ洗浄剤も併用するといい。
この辺は大体過炭酸ナトリウムが主剤なので、発泡により細かい部分への浸透及びカーボンの剥離効果が期待できる。
最後にきっちりとすすいで終了となるのだが、この際に出来たら高い水圧でチャンバー内部に水を流すと物理的に残りカスを落とすことが出来る。
すすいだ後はこれまたキッチリと脱水しておくこと。多少の水分は錆の発生を増長してしまうが、しばらく走行すれば蒸発するから気にしなくていい。
しかし、ゆすってみてチャプチャプいうようなら脱水不足なので、水が抜けきるまで脱水しよう。
写真も無いのに長々と論じてみたが、これから作業する人の役に立てばいいなぁと思う。
最後に一言だけ。
アルカリ洗浄剤の取り扱いには気をつけること<参考>
日本油化工業株式会社:
硬質カーボンが落ちない
<追記>
パーセンテージが低いとは言えアルカリであるので、気になる人は酸性の洗剤や酢で中和してから排水するといいでしょう。
パイプ洗浄剤にはNaOH4%ぐらいのものがあるので、そちらを使うのもいいかも(ただし割高)
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- 2007/06/21(木) 01:26:48|
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