【NHK受信料支払い義務化 総務省検討、値下げ前提に】
2006年 4月12日 (水) 06:03
総務省は11日、NHKの受信料を値下げすることを前提に、支払いを義務化する方向で検討に入った。経費を節減して値下げを実現するため、NHKが持つ八つのチャンネルの削減を検討する。一連の不祥事で広がった視聴者の不払いに端を発した受信料制度の見直し論議は、受信料の徴収に強制力を持たせる方向で議論が進む見通しだ。
竹中総務相の私的懇談会「通信・放送の在り方に関する懇談会」が同日開かれ、NHK改革などについて議論した。座長の松原聡東洋大教授は記者会見で「NHKのチャンネルを減らせば、受信料は低下するだろう。受信料の徴収方法にまで踏み込んで報告書を書かないといけない」と述べ、今後、義務化も含めて議論を進める考えを示唆した。
NHK改革をめぐっては当初、職員の番組制作費の詐取など一連の不祥事を背景に、民営化も視野に入れた論議もあった。しかし、小泉首相が昨年末、「民営化以外の改革を」と発言したことで、公共放送の維持を前提にNHKの経営体制をどう見直すかに議論の焦点が移ってきている。
現在の放送法では、テレビがある世帯はNHKと受信契約を結ぶ義務があるが、受信料を支払う義務は明文化されておらず、法的にあいまいさが残る。同省はこの規定を見直し、受信料の支払いも明文化する方向で検討を進める。不払いに対する罰則導入を求める意見も政府・与党内にあり、どこまで強制力を持たせるかは今後調整する。
NHKのチャンネルは、2011年までにBS(衛星放送)の3波を2波以下にする方針が固まっている。削減を追加することで現在月あたり2340円(衛星カラー契約、訪問集金)などの受信料を値下げする。支払い義務化に対する反発を和らげるのが狙いだ。
受信料の支払い拒否・保留は3月末で約120万件。ピークは越えたものの、受信契約を結んでいない世帯なども含めると約3割が受信料を払っていないことになる。
受信料不払いに対してNHKは「現行法の中で民事手続きを導入する」(橋本元一NHK会長)としている。総務省の検討が円滑に進むかどうかは不透明な部分もある。
【カラ出張で1762万円 NHK職員を懲戒免職】
NHKの報道局スポーツ報道センターの大下哲史チーフプロデューサー(43)が、5年以上にわたってカラ出張を約240回繰り返し、約1700万円を不正に受け取っていたとして、NHKは11日、大下プロデューサーを懲戒免職処分にしたと発表した。報道局長ら上司12人についても懲戒処分とした。
NHKによると、大下プロデューサーは札幌放送局とスポーツ報道センターでスポーツ中継などに携わっていた平成13年1月から今年4月にかけ、架空の出張申請を行う手口で出張旅費を不正に受け取っていた。カラ出張は242回にのぼり、不正受領額は総額1762万円。
大下プロデューサーは「服飾費などで月々のクレジットカードの支払いがかさみ、カラ出張を思いついた」などと話しているという。
橋本元一会長は「視聴者の信頼を再び損なう行為が明らかになったことは痛恨の極み。外部の専門家らによる緊急業務調査など、不正の根絶に向けた対策をとり、信頼回復に取り組みたい」とコメントした。
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